発酵コラム 4
ぬか漬け
これぞニッポンの漬物。
糠と野菜の乳酸菌が生み出す爽やかな箸休め。
ピクルス、キムチ、ザーツァイ、アチャールなど世界の国でも漬物は食べますが、日本ほどバリエーション豊かな漬物を食べる民族は珍しいそうです。
塩漬け、醤油漬け、味噌漬け、粕漬けなど、さまざまなな漬物があるのは、長い冬に備えて収穫した野菜を長期保存できるように考えられてきたから。
そんな中でも、「漬物」と言われて思い浮かぶのは「ぬか漬け」ではないでしょうか。
ぬか漬けは、生ぬかに塩や水と昆布や鰹節などの旨味を加えて作ったぬか床に野菜を漬けたもの。
野菜に元々つく乳酸菌や酵母が、米ぬかをエサとして増殖し発酵させた発酵食品です。
「ぬか漬け」は江戸時代から広く伝わっていったとされ、発祥の地は九州と言われています。
今では、全国各地でその土地に住む微生物の違いや地域ごとの好みによって、さまざまな漬物が作られるようになりました。
ぬか漬けにした野菜は、ビタミンB1が生の時より10倍にもなり、高い塩分濃度を生き抜いた植物性乳酸菌は腸内環境にも良い影響をもたらします。
また、ビタミンB1はご飯の糖質を分解する酵素を助け、エネルギーに変える働きがあるので、ご飯のお供にぴったり!
様々な栄養がプラスできる雑穀米にぬか漬け、タンパク質メインの一品とみそ汁があれば完璧な食卓のできあがりです。
毎日食べたいぬか漬けですが、市販のものは実際はぬかで漬けていないものや、余計なものが多く入っているものもあり気になります。
自分で作るのがいちばんですが、毎日お手入れして育てるぬか床は、なかなか高いハードル…。
でも今は、袋に入れるだけで簡単に漬けられるぬか床も市販されています。
お手入れも楽なので、お手軽にぬか床暮らしを始められますよ。