発酵コラム 14

発酵バター

発酵バターとは?

バターには、発酵バターと非発酵バターの2種類があります。
発酵バターは、原料のクリームに乳酸菌を加えて半日以上発酵させたもので、ヨーロッパではバターといえば発酵バターです。
一方、日本で主流なのは、非発酵バター。
日本でのバターの始まりははっきりしませんが、「バターのようなもの」は飛鳥時代の貴族の間で広まったとされています。
しかし、その後日本で乳製品を食べる文化は途絶え、今のようなバターが作られるようになるのは明治時代に入ってからです。
アメリカから北海道に農業指導にやってきたエドウィン・ダンにより、バターやチーズなどの乳加工品が作られました。
この「北海道酪農の父」と呼ばれるダンから学んだ日本人の青年たちが、日本の酪農を担っていったのです。
その時代には、発酵させないバターの技術が確立されており、日本に伝わったのも非発酵バターの製造技術でした。
実験的であったバター製造が本格的に始まったのは、明治18年。
東京麹町の北辰舎がクリーム分離機と回転チャーンを導入してからとなります。

発酵バターは、遠心分離機の無かった頃にクリームから固形分が分離するまでに2~3日かかったことから、空気中の乳酸菌が入り自然と発酵していました。
後に時間をかけずに分離できるようになり、日本をはじめ、アメリカやオーストラリアでも非発酵バターを主流としています。
私たちが普段食べている非発酵バターは、クセがなくコクと甘みを感じられます。
それに比べると、発酵バターはヨーグルトのような酸味と爽やかさがあり、芳醇な香り。
そのままパンにつけて食べても美味しいですが、焼き菓子やクロワッサンにすると香り高く美味しく焼き上がります。
バター炒めも香りがよく感じられるのでおすすめですよ。
最近では、日本でも発酵バターが人気となっているようですが、国産も輸入品も少しお値段が張るようです。
でも、たまには自分へのご褒美に、発酵バターたっぷりのパンケーキもいいかもしれませんね。

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